痛みは遠くになりにけり。
「痛み」についてあれこれ書いてて思い出したんだけど。
私その頃好きだった人に。
ピアスホールを開けて貰った事があったんだった。
もちろん相手はそんなの初体験で。
Sっ気の欠片も無い人。
その人自身の耳にもピアス穴の無い、ごくごく普通の男子。
ピアッサーっていう器具で「グッと握れば内蔵されてる針付きピアスが威勢良く耳を貫通する」って代物でお願いした。
よくドンキとかで売ってる、誰でも簡単にピアス穴をあけられますよーってやつね。
ほんとはニードルでブスッと開けて欲しかったけど、それは相手も無理で。
器具で簡単に出来て血も見えないよー、本当に一瞬で出来るよーって事で、ようやく了承して貰ったんだった。
でもどのホールがその人に開けて貰ったヤツなのか忘れてしまったのよ。
確か8個めか9個めの穴だったんだけど。
そこまでして貰った男だから、今でも顔は忘れてないが。
全部が忘れ去りたい記憶だから。
どの穴だったか思い出す努力は絶対にしないけども。
まぁその時期に3つほど連続で軟骨、所謂ヘリックスに穴を開けてたのと。
あまりにも呆気無く、痛みも出血もほとんど無く。
私も相手も拍子抜けするほど簡単に終わってしまったせいかも知れないな。
私が病んでた時期だったのか、ただ痛い目に合いたかったのか解らないんだけど。
その当時は不思議なほどピアス穴を開けたかった。
同じフープ型のサージカルステンレスで、ずらっと綺麗に並べたかったんだわ。
あのさ。
私はピアスについてはホールが完成するまでが一番楽しいのよ。
毎日毎日消毒して、肉や軟骨にピアスがくっつかないようにする為にピアスをグルグル動かすのが好き。
それ人に言うとド変態って言われるから言わないけど。
ちょっとだけ血が出て、じわっと痛いぐらいが好きだ。
穴が完成しちゃってほとんど痛く無くなると、あんまり楽しくなくなっちゃう。
だから似た理由で爪を毎日毎日短く切ってって、ほぼ爪を無くしちゃって皮膚だけにするのも好き。
爪なら穴開ける場所が無くなる耳より、繰り返し出来て楽しいからねぇ。
足まで入れたら20本あるし。
ま、足の爪を剥ぐと、靴を履いた時にとっても痛くて。
一日中楽しい。
靴の圧迫のせいか蒸れるせいか、手の爪より治りも悪くて長く楽しめるし。
でもこれは彼に「お願いだから止めてくれ」って言われて以来やってないんだけどね。
んで、あれだけ耳を穴だらけにしたのに。
何故かボディピアスにはいかなかったのよね。
服の中にあって自分が見にくいのが嫌だったのかな。
自分でもよく理由は解らないけど、結局身体は穴無しのまま。
もう塞がってしまった右耳のヘリックスの穴が2つあるので。
もしかしたらその人に開けて貰った穴は存在してないかも知れない。
己の治癒能力と、過ぎた時間の長さに呆れるが。
いくら身体にその人の印を残したいと思っても。
小さな穴ぐらいでは駄目なのだと思い知らされちゃうよね。
やっぱり針でカラフルな絵や字を刻むぐらいじゃないと駄目みたい 笑。
でもさ。
一生飽きない柄ってどんなの?
お婆ちゃんになっても似合うのって、どんなものなんだろ?
私それで悩みに悩んでタトゥーはやらなかったんだよ 笑。