2ntブログ

夏と共に終わること。

口の中というのは思ったよりもずっと敏感で。

とてもはっきりとした触覚の記憶を持っている器官だと思う。


なぜそんな話をするかといえば。

この数ヶ月歯医者に通ってたからである。


彼氏も知っている事だけども、私はこの先生がとても好きだった。


言葉使いと指の感触がとてもいい感じだったのだ。


女性の助手さん達のような、がさつで繊細さに欠ける器具の使い方は絶対にせず。

いつでも「私ってば丁寧に扱われてるなー」と感じる治療であった。



ゴム手袋を通して感じる体温。

細過ぎず、だからといって太くもない指の感触。

奥歯の治療の時には先生の指がまるごと入って来る。

しかも両手だ。

この人の以外で、私の口の中に入って来るのを許す指は彼氏のしかない。



これが彼のだったら、じゅるじゅる舐められるのに。

これが彼氏だったら私が舐めたあとに
「美味しい」
と言って自分の指を舐めるのに。



そう思いながら大口を開けてる私は。

世界一間抜けな顔をしていて、世界一無防備な状態だ。



こんな顔を見せるのは彼氏と歯科医の先生しかいない筈。


そう思いながらもドMでド変態な私は妄想を膨らませるのだ。


「はい、頑張ってお口をアーンと開けてて下さいねー」

「はーいそのまま閉じないでねー」


うん、すごく素敵なお子様扱いだ。


で、元M女の私の予想ではこの先生はSである。

まあ…へっぽこM女だったとはいえ、それぐらいの区別はつく。


だからこそ好意を持つのだろうし。

こんなに濡れるのであろう。



歯医者に行く時は、下着の汚れ防止のおりものシート必須だった日々がもう終わる。

次回からはがさつな助手さんに歯のクリーニングをして貰うだけなのだ。


がっかり、がっかり。



唯一彼氏以外の異性に触れる、すごく楽しいひとときだったのになぁ。

浮気する気がない私(といちおう言っておこう)には数少ない男との接触のチャンスが終わった。



ちょっと寂しい夏の終わりがやって来たなぁ。


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