瘡蓋。
夢によく出て来る元カレがいる。
ま、正確に言えば彼氏だった訳じゃない。
彼女じゃなくていいからそばに居させてくれと頼んだ人だ。
そこまで言えるほど惚れた男。
別れて何年経っても忘れる事もないし、忘れる為の努力もしてない。
しかもたまに近況を知る事がある。
というか、画面でその姿を見る機会がある。
何だろうね、このチクンとする痛みは。
逢いたい訳じゃない。
逢ったら言葉もなく立ち尽くすだろう自分がいるし。
「お前は今何しとるんや?」
その問いに答える言葉なんかある訳ない。
今更?
未練がましい?
それでも、その人ととことんまでやらなかった後悔はあるんだ。
どうせなら最後は包丁持って大喧嘩、のほうが良かった。
そのチャンスがあったら。
きっと私はわざと刺されてただろう。