プルースト効果。
私は彼から微かに漂う香りが、性的にとても好きだが。
彼はその匂いを嫌がる。
何故か彼は、自身の匂いを加齢臭と思っているからなんだけども。
そんな歳じゃないし、いくらそれは加齢臭じゃないと説明してもよく解らないみたい。
まあ自分の匂いは自分では解らないんだろうけど。
んで、こないだ初めて気づいたけど。
彼愛用のシェーバーとバイクのメットは凄く匂いがあったのよー。
徹夜明けでもほとんど体臭が無いような人だから、匂いフェチ的にはすんごく嬉しいんだけど。
何ていうか、若干の脂と何かの匂いがブレンドされて、濃縮された彼の匂いとして存在していて。
当然心ゆくまでふんふんと嗅ぐ訳だけども。
これが物凄く早く、エロスイッチとして作用してしまい。
外だとけっこう収拾がつかなくて、大変な事になってたりするんだわ。
ほとんど条件反射で。
彼曰く変態の顔になってる、と言われる状態。
要するにちゅーしてちゅーして、と人目を憚らない時ね。
んで、私がオッサン臭が好きだと思われてるのだが。
そんなに好きなら、私が『加齢臭のする俺以外の人』にも反応しちゃうのでは?と言われたのだ。
でも訂正するならば、私が好きなのは加齢臭じゃなくて、もう少し若い世代の脂の匂いなんだよね。
ちょっと古くなった油と埃みたいな匂いよ。
でも正直、そんな匂いの人ってごまんといて。
ただすれ違うだけの人でも電車の隣席の人でも、若くなきゃ確率は相当高い。
まして気温が上がってるこの季節は解りやすいし。
やたら鼻が良く、人一倍匂いに敏感な私を心配してくれる訳なのだけど。
そこには私が普段とことんまでえっちで満足していない、という思いがあるのかも知れない。
私は元々若い人嫌いだし、身体の快楽には正直…かも知れないし。
最近欲求不満気味で、いつもスタンバイの出来てるような身体だし。
そこに匂いという強烈なファクターが来たら、なかなか抵抗しづらいかも。
要するに、生粋の浮気者になれる人間だと思われてるのかも知れないんだわね。
だったらメットとシェーバーと枕、貸してくれればいいのにねぇ。
結構楽しくオナれるから、浮気防止になると思うんだけど。
あ、「俺のメット被って全裸でオナってたら可笑しいね」って言われたけど。
どっちかって言うと、匂いを堪能する為にメットに逆向きに顔を突っ込む状態になると思うんだわ。
一口に皮脂系の匂いといっても、人によって多少違う訳で。
彼以外の人がいいのかどうかは、確認した事無いのよ。
あんまり嗅がないようにしてるというか、嗅ぎたくないというか。
香水と脂の匂いの混ざった人は、大好きだから力一杯嗅ぎたくなるけど。
赤の他人の匂いを堪能するってなかなか出来ないからねぇ。
万が一、昔付き合ってた人と同じ香水だとクラッとしちゃうだろうし。
かすかにどっかで嗅いだ記憶のある程度の匂いだと、どの香水だか誰だったか、ものすごく考えちゃうし。
私、鼻が良いのと同時に、鼻の記憶も良いから。
密接に付き合った歴代の彼氏達の匂いは、大抵覚えてる。
何ならその人の部屋の香りとか、一緒にした食事の匂いも思い出せたりする。
それが幸せかどうかは微妙だけどもね。
香りというのは、記憶と連動してるものだから。
確認し過ぎると、辛い事まで芋づる式に思い出したりして。
鼻なんか良くなきゃ思いださなかったのにー、という場面も。
まああったりはする。
やっぱり彼の匂いの中だけで生きてる方が。
きっと幸せなんだよね。
だから5日ぐらいお風呂を止めてくれないかなあ。
そうすればきっと、チン○もアナ○も素敵な匂いになると思うんだけどね。